傷だらけの僕等
俺が悶々としていると彼女はペンを持って、字を書き始めた。
そしてそのメモを俺に見せる。

『なんであたしに優しくするの?』

彼女はさっきと同じ質問を繰り返した。

「そんなに優しくしているつもりはないんだけど。」

『何が目的?
あたし、お金なんか持ってないよ。』

「別に金が欲しくて君のことをうちにあげてるわけじゃない。」

『じゃあ何?』


その答えは実際のところ俺にも分かっていなかった。
人間として?道徳的に?
とっさに出せる答えといえばそのくらいしか浮かばなかった。

でもその答えが俺の正直な気持ちなんかではなかったのは確かだ。

答えない俺に向かって彼女はまたペンを走らせる。




『体で払ってもいいよ?あんたなら。』

「え?」

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