傷だらけの僕等
ホテルで独りきり。

あいつが来るまであと2時間くらいだと思う。

6時にはきっと来る。

あいつの会社はここから近いし。

傷が治った自分の腕を見つめる。


「この腕も見納めかな?」

そう呟いた。


あたしが綺麗でいられるのも本当にあと少しだった。

それにしてはかなり頭は冷静で、それについては自分でも驚くくらいだった。

でも…悲しいくらい

あたしの頭の中は先生でいっぱいだった。


もう…帰ってきた頃かな?

あの時みたく慌てるかな?

それとも呆れる?

怒ったりはしないよね?

もうあたしのこと忘れようとしてるかな?

ただの拾い物だもんね。



ねぇ先生何してるの?

何考えてる?

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