傷だらけの僕等
* * *

「真!!遅ぇよ!!」

真が、ホテルのロビーへと走ってきた。

「これでもすっげー頑張ったんだけど。
ってとにかくフロント!!」



* * *


「笹原さんいますか?」

「はい…おりますが…どちら様でしょうか?」

「ここのオーナーの息子。これ身分証。
笹原さん呼んでくれる?」

「はっ…はい!!今すぐ!!」


普段は何も感じないが、実は真はすごい金持ち。
真に頼むのはなんか釈然としないが、今はそんなことを言っている場合じゃなかった。

笹原という男が真から事情を聞いている。

腕時計を見ると6時32分。


「そういうことでしたら…
仕方ないですね。真様のお願いですし。」

「さっすが笹原!!融通利くねー♪」

「あまり長時間持ち歩かないでくださいよ。すぐ返してくださいね。」

「分かってるって!!おい聡!!行くぞ!!」

「おぅ!!」

俺たちは全速力で走った。

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