傷だらけの僕等
「まだ逆らうか?
本当にお前は…忘れてしまったのか?
お前のあるべき姿はこうだ。」


気付けば、あたしはほとんど服を脱がされていた。

残っていたのは下着だけ。

あたしは咄嗟にシーツを身体に巻く。


「何を隠しているんだ?
ん…?お前ずいぶん傷がなくなっているな。」


そのことが不服そうだった。
自分のつけた傷を楽しむのがこいつの癖だったような気もする。


あいつの指があたしの腕に触れる。

あたしはまた拒絶する。

その繰り返し。

何を言われたって何をされたってもう無理だった。

精神的にも肉体的にも。

あいつを受け付けない。


あたしの意思とは関係なく働く拒絶が、あいつの怒りをさらに高めていた。

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