傷だらけの僕等
「待て。」


俺は彼女の腕を引く。


「離して!!」

「出来ない。」

「先生の重荷になりたくないの…
嫌なの…。」

「何が?」


彼女は泣いているようだった。
少し肩を震わせて俯いている。


「俺が嫌なの?
お前が出て行くってことは俺を嫌いって意味だって取っていいの?」


それなら少しは納得がいく。
諦める気も手放す気もないけど。


とにかく今知りたいのは彼女の本心、つまり…彼女の言葉だった。

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