傷だらけの僕等
【Satoshi side】


幸せが降り注ぐ。

その幸せを、俺は理沙子を抱きしめながら感じていた。

一度は失くしかけた愛しい人。

もう絶対に離さない。

何があっても。



「先生…苦しい…。」

「あーごめん。力入れすぎたかも。」

俺はパッと腕を離す。

そうすると少し寂しそうな顔をする彼女。


「なに?寂しい?」

「なっ…違う!!」


そういう顔をされると1秒だって離したくなくなる。

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