傷だらけの僕等
なんだよこいつ…

俺は言うのにすっげー苦労したってか心臓バクバクなのに。

忘れたとか…

どういう神経してるんだか…


「返事。俺と結婚してくれんの?」

「うん!!するっ!!」


珍しく、理沙子がぎゅっと俺の背中に腕を回した。

そんな理沙子が愛しくて俺はぐっと腕に力を込める。


「おっと、大切なものを忘れてた。」

俺はポケットからすっと小さな箱を取り出した。

理沙子は頭にクエスチョンマークを浮かべている。


俺は理沙子の左手を取った。

そしてその薬指に指輪をはめる。



「婚約指輪。」

俺はそれだけ言って指輪にキスを落とした。

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