傷だらけの僕等
「え…何って…どういうこと?」

返ってきたのは間抜けすぐる返事。
本気であたしの意図が分かっていないみたいだった。


『あたしの体が目当てなの?』


単刀直入にそう聞くことにした。

この質問ならはっきりする。
そうなのか、そうじゃないのか。

「はぁ!?なんでそうなる!?」

この人は今まで出会ったどんな人間とも違う。
理由なんかないけど、なぜかそう思った。
優しさに代償を求めない人間は、あたしにとって初めて。
だからあたしは…


『男はあたしに理由なしでやさしくなんかしない。』


そう書いた。

するとその人はすごく悲しそうな目であたしを見た。

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