傷だらけの僕等
「君は…どういう環境で育ってきたんだ?」


まるで教師みたいなセリフ。
だからあたしは


『教師みたいなこと言うんだね。』


とメモに書いた。

「まぁ…一応教師だからな。」

ホントに…?まさか…
でもこの人の言葉には、あたしが今まで知ってる人間みたいな嘘とか悪意とかは不思議と感じられなかった。
上手く言えないけど…


『教師が学生を部屋に連れ込んで泊まらせるなんて大丈夫なの?』

「学生!?」

この人が食らいついてきたところはあたしの予想とは全然違った。
自分の立場が危うくなるくらいならあたしをすぐにでも追い出すだろうって…思ってたのに…

「大学生も…学生だしな。」

とかふざけたことを言うからちゃんと訂正した。


「こ…うこうせい?」

あたしはそれを肯定した。

あたしが成人してると思ってたみたい。
ありえない。

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