傷だらけの僕等
彼は話を元に戻した。

「まぁいい。とにかく何食べたい?
うちに材料あったら作ってやる。」

あたしは我に返る。


『なんであたしに優しくすんの?』


そう書くと、またあたしの予想とは違う答えが返ってくる。

「俺、優しいのか?」

さっきから間抜けな反応ばっかり。

でも間違いなくあたしが出会った中で一番優しい人間だった。

あたしに優しさを向けてくれるのに、あたしに何も求めない。

とにかくあたしに何か食べさせたいらしく、なんだかしつこいからあたしはひとまず『ホットケーキ』を頼んだ。

正直言って、お腹は減っていたから。

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