傷だらけの僕等
「つーか…なんで俺がこんなこと考えてんだよ…
それこそわけわかんね。」
女のことで頭の中をかき乱されるのはもう懲りたはずだろ?
あの時に…
嫌な思い出が蘇り、俺が少し渋い顔をしたときだった。
髪を濡らしながら彼女がリビングに入ってきた。
「なんで少し髪拭いてから出てこないんだよ?
床濡れんだろ?」
『ごめん』
もう彼女のメモなんか無くても唇の動きだけで分かる。
それを彼女も分かってか、メモを使わない。
「ほら、タオル貸せ。拭いてやるよ。」
何気ない気持ちでそう言い、バスタオルを掴もうとしたその瞬間…
彼女はまたびくっと体を強張らせた。
ああ…そうだった。
忘れてたよ。
俺は彼女に触れることができないんだった。
それこそわけわかんね。」
女のことで頭の中をかき乱されるのはもう懲りたはずだろ?
あの時に…
嫌な思い出が蘇り、俺が少し渋い顔をしたときだった。
髪を濡らしながら彼女がリビングに入ってきた。
「なんで少し髪拭いてから出てこないんだよ?
床濡れんだろ?」
『ごめん』
もう彼女のメモなんか無くても唇の動きだけで分かる。
それを彼女も分かってか、メモを使わない。
「ほら、タオル貸せ。拭いてやるよ。」
何気ない気持ちでそう言い、バスタオルを掴もうとしたその瞬間…
彼女はまたびくっと体を強張らせた。
ああ…そうだった。
忘れてたよ。
俺は彼女に触れることができないんだった。