傷だらけの僕等
いやまぁ…
別に触れたいっていうわけじゃない。
だけど、これほどあからさまに身体的に拒絶されるというのは人生初の出来事なわけで。
正直俺は彼女にこうされるとどうしたらよいか分からなくなる。

俺の戸惑いを察したのか、彼女は俺を見つめたまま

『ごめん』

と言った。

「いや…」

俺は言葉を濁した。

そして彼女から離れようとした。

すると、またしても俺のシャツの裾が引っ張られる。

昨日も思ったけど、自分から触れてくる分にはびくつかないんだな。


「え?」


俺は振り返った。


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