傷だらけの僕等
彼女は一度言ったらきかない頑固者らしい。

「あー分かったよ。
この下にフライパンとか鍋とかそういうのがあって、こっちの引き出しに菜箸とか入ってるから。
でここにおたまとか下がってんだろ?
調味料はあっち。
あと何かある?
ってか一度にこんなに覚えきれないだろ。」


彼女は顔色一つ変えず、俺の話を真剣に聞いていた。


『大丈夫。覚えた。』

「はぁ!?今ので?」

『パスタでしょ?
パスタソースから作ればいいの?』

「お前…料理出来んの?」

『さぁ?」

「え…出来ないんなら俺やるって。」

『じゃ、教えてよ。先生。』

「先生?」

『学校の先生なんでしょ?
だから先生。』

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