傷だらけの僕等
『そう?』

「料理初めてじゃないだろ?」

『初めてみたいなものだよ。』

と曖昧に返事をする彼女。

『料理の本はある?』

「あー…あったな。確か。
本棚のどっかにあると思うけど。」

『見つけたら、読んでいい?』

「ああ。」


彼女は料理に興味を持ったようである。



俺は彼女の作った料理を食べながら、なんとなく…

本当になんとなく、そして微かだけれど、彼女の心を少し垣間見た…ような気がしていた。

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