傷だらけの僕等

馳せる想い

* * *

「行ってくるから、お前…
どんな客が来てもっていうか多分客なんか来ないけど出んなよ。」

『それ、30回くらい聞いた。』


人が心配してやってるっていうのに冷たい態度で返してくる。


『早く行きなよ。あたしは大丈夫だから。
この部屋のものを盗って逃げたりもしないし。』

「んなこと考えてたのかよ?」

『そんなこと考えてるんじゃないかって思っただけ。』

「んじゃ、おとなしくしてろよ。」


素直に頷く。

俺の長い一週間が始まる。

だから月曜日は憂鬱だ。

今日は彼女がいるから…特に。

< 58 / 317 >

この作品をシェア

pagetop