傷だらけの僕等
『夕飯作ったよ。』

「え?」

『暇だったから。』

「何作ったんだ?」

『カレー』

「うちにそんな材料あった?」

『ギリギリ。』

キッチンにある鍋を覗くと確かにカレーができていた。
そしてその隣には卵スープも。

「ちゃんと昼飯食べたんだろうな?」

『お腹空かなかったから食べてない。』

「はぁ!?」

『夕飯は食べる。
先生、もう食べる?』

「食べる。」

彼女は本を置いてすっと立ち上がって夕飯の支度をする。

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