傷だらけの僕等
『片付けるからお皿貸して。』

彼女はそう言ってすぐさま片付けを始めた。

まだ風邪も完治しきってないし、怪我だって全然治ってない。

そんなに無理して突っ張ることはないのに。


「なぁ…。そんなに無理しなくていいんだぞ?
別に俺は家政婦雇ってるわけじゃねぇんだし。」

『無理してない。』

「いやいやいや。
そういうのは明らかに無理してるって言うんだよ。
いいからどけ。
お前はソファーで本でも読んでろ。」

『嫌。』

彼女はスポンジを離さない。

「仕方ねぇな。」

俺は彼女を抱き上げた。
まぁお姫様だっこってやつだな。

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