傷だらけの僕等
* * *


彼女をソファーに寝かせ、そっとバスタオルで髪を拭いた。

「顔にも…傷がある…」

彼女は不自然なほどに傷だらけだった。

服も代えてやりたかったが、俺のサイズだとぶかぶかだし、一応彼女は女の子だしってことで服の上から軽く拭いてやる程度にした。

少し苦しそうに息をするから彼女の額に手を当ててみたら俺の勘は当たっていて、やっぱり熱があった。

「意外と高くないかこれ…?」

焦った俺は普段は絶対使わない体温計を探す。

耳に体温計を差し込み、彼女の体温を測る。


ピピッ



「38度9分か…かなり高いな。」


風邪なんてここのところひいてなかったから、家には風邪薬でさえ無い。


「しばらく寝かせておくか…。」


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