First Love 〜番外編〜
『ねぇあなた。私と一緒にこない?』

そう言って微笑みながら手を差し延べてくれた。

初めてだった。

俺に笑って手を差し延べてくれた奴は。

本当は、喧嘩をしたって虚しいことぐらい気付いてた。

気付いていながら喧嘩をやめなかった。

俺の居場所さえ無くなりそうで。

すると、その女は俺の心を読んだみたいに

『あなたに暖かい居場所を作ってあげるわ』

俺は迷わずその手を掴んだ。
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