7時12分。
(インテリ君か。)
と、自分の方が頭が悪いのは分かっているが、逆に頭がいいことを小馬鹿にした。

ドアが開き、それぞれが自分の座りたいと思ったところに座る。
私とインテリ君は斜め前同士になった。
まだ、乗車してる人達が少ない車内はお互いよく見える。
私の車内での日課は、軽く化粧をして余った時間はボーッと外をみることだった。
新しい乗客がいるからといって化粧をすることに抵抗はまったくなかった。アイシャドーを塗るために鏡を顔に近づける。
その時に、チラッと斜め前に座るインテリ君を見た。
彼はウォークマンをカバンから出して何か曲を聞きながら本を読みだした。
読んでいた本は、最近ニュースで報道されていた賞を受賞した作品だった。
(さすがインテリ学生は違いますね。)
と、心の中でパチパチと拍手してみた。全く本心は思ってないのに。

学校までの30分は日によって長かったり、短かったり。
その日の私は、化粧終わったあとは外とインテリ君をいったりきたりだった。
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