7時12分。
今日は、部活もあって帰りが遅くなった。
帰宅ラッシュ時間は過ぎてしまったので、人はまばらだった。
下り方面のホームには、他校の生徒が何人かいた。
その中に、同じ中学だった知り合いが一人いた。
声をかけようか、と少し悩んだがその間に向こうから声をかけてくれた。

「琴美、久しぶり!」

中学3年間、一緒のクラスだった勇治だ。誰にでも優しくて、リーダーシップのあるやつだった。たしか、インテリ君と同じ高校でスポーツ推薦で高校に行ったはず。
インテリ君のこと知ってるかな?聞いてみよ。

「勇治、久しぶり!相変わらず熱いねー。」
「熱いは余計だ。おまえも変わってないなー。」
「変わってなくて悪かったわね。あのさぁ、勇治に聞きたいことがあるんだけど…。」
「何?」
「あのさ、私とおな…」

私が言いかけたとき、勇治は掌を前にだした。

「あ、ちょっと待って。俺の友達がきた!おい、和弘ー!」

勇治は、私の背後の方に向かって『和弘』という名前を呼んだ。
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