kiss me Again
時間は刻一刻とあたしに迫っていた。
だけど――…
「はい。」
コントロールよく投げられたバイクのヘルメットに
あたしは慌ててそれを受け止める。
「海、行かない?」
「え?」
海?
『今度さ。海、付き合ってよ。』
ふいに蘇る
優しい記憶。
「約束、したでしょ?」
そう言ったそうくんは
あたしの手からヘルメットを取り上げると
「うん。似合う。」
にっこりと笑ってポンとヘルメットを撫でた。
ドキドキしてる。
初詣以来、久々会ったそうくんは
やっぱりかっこよくて
優しくて
あたしの心が
再び天秤にかけられる。