kiss me Again


時間は刻一刻とあたしに迫っていた。



だけど――…




「はい。」

コントロールよく投げられたバイクのヘルメットに
あたしは慌ててそれを受け止める。




「海、行かない?」

「え?」



海?




『今度さ。海、付き合ってよ。』

ふいに蘇る
優しい記憶。




「約束、したでしょ?」


そう言ったそうくんは
あたしの手からヘルメットを取り上げると


「うん。似合う。」

にっこりと笑ってポンとヘルメットを撫でた。






ドキドキしてる。


初詣以来、久々会ったそうくんは
やっぱりかっこよくて
優しくて



あたしの心が
再び天秤にかけられる。




< 111 / 348 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop