kiss me Again


防波堤に腰を降ろすと
冬の風に
潮の香りが混ってた。




「大丈夫だった?」

「うん。あたし、嘘つくの得意だから。」

「はは、いけない奴。」




久し振りに聞いた
そうくんの笑い声。


綺麗な横顔が
海に反射してあたしの胸を騒がせる。




冬の海は
意外にも穏やかで
澄んだ空気に
より一層、澄み渡って見えた。




「はぁ~、気持ちいいなぁ。」


そう言って防波堤に寝そべるそうくん。



「そんな所で寝たら汚いよ。」

「大丈夫だよ。」

「犬がおしっこしてるかも。」

「げっ!」



慌てて起き上がるそうくんは
明らかに怪訝そうに服をはたいてた。


そんな姿につい、吹き出してしまう。



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