kiss me Again
「笑うと海に放り込む。」
「そしたらあたし死ぬよ?超寒がりだもん。」
あたしの答えに
思い出したように目を見開いたそうくんは
慌ててバイクへと走り出した。
変なの。
予想とは反して
普通に会話をしてる自分に驚いた。
もっと
きまづくなる。
そう思ってたから。
「ごめんごめん。」
「何取りに行ってたの?」
防波堤に立つそうくんを見上げると
「これ!」そう言って砂浜に降りたそうくんは
あたしの首にマフラーを巻いた。
「ずっと返すの忘れてたんだ。ごめん。」
「……別にいいのに。」
砂浜に降りて
目の前に立つそうくんに
あたしはぶっきらぼうに視線を逸した。
だって
目線の高さが一緒で
ドキドキが伝わってしまいそうだったから。