kiss me Again
「……やっぱり、居た。」
その言葉に
ゆっくりとそうくんが振り返る。
そして目を丸くしたそうくんは
「何で……。」と小さく呟いた。
「何でって、そうくんが呼んだんでしょ。」
そうくんの隣
防波堤に腰を降ろした。
「そうだけど…。だって…彼氏と居たんじゃねぇの…?」
まだ驚きを隠せない様子のそうくんは
戸惑いながらも言葉を繋いだ。
「出て来ちゃった。」
「え?」
「だーかーらー、出て来たのっ!」
そう言ったあたしは
防波堤から飛び降りて砂浜を歩いた。
ザザン…と波が打ち寄せる。
まるで
何かを求めるように
激しく、海が鳴く。
「そうくん。」
あたしの呼び掛けに
そうくんはあたしを見据えた。
「好きだよ。
大好き。」