kiss me Again


恋しい人に会いたくて
自分を知ってもらいたくて
海を捨てて人間になった人魚姫は



泡になった時
どれくらいの悲しみを背負っていたのだろう。






「海音ちゃん…。」



あたしの告白に
そうくんがさっきよりも目を丸くしてた。


波があたしの足元で
ちゃぷんと音を立てる。





「あたし、決めたの。」


少し離れてるそうくんに大きな声で言った。




「あたし、そうくんと一緒に居たい。



そうくんと、歩いて行きたいの。」


例え
世界中を敵に回しても


あなたと一緒なら。






「まだ、あたしの事好きでいてくれてますか?」



例え
泡になったとしても



あなたを想い続けていられるのなら。





どんなに傷付いても



もう、迷ったりなんてしない。




< 142 / 348 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop