kiss me Again
大輔に抱かれた夜に
あたしは全てを裏切る覚悟を決めた。
最低なあたしに
どんな罰が下るのか。
でもいいの。
けなされても罵られても
あたしはあなたを好きでいたい。
もう、嘘はつけない。
「海音ちゃん…。」
防波堤から砂浜へと歩きだしたそうくんが
あたしの前に立つ。
ぶつかる視線に
そうくんが微笑んだ。
そして―――…
優しくあたしを抱き締めてくれた。
懐かしい香り。
あたしのマフラーに
残っていた、そうくんの香水。
「…好きだ。すげぇ、好き。」
うん。
「ずっと…こうしたかった。」
あたしも。
「だけど苦しくて…。傷付けたくなかったんだ。」
わかってる。
「もう……、何もいらない。海音ちゃんさえ居れば、それで…。」
うん、あたしもだよ。
あたし達は
ずっと同じ気持ちだったんだね。
ずっと、二人は苦しんでたよね。
やっと、言えたね。
好き。
やっと、繋がった。