kiss me Again


空が白み始めて
いつの間にか地平線の向こうに朝日が顔を出してる。



あたし達は手を繋ぎながら長い海岸を歩いて居た。



今思えば
手を繋ぐのは初めてで

キスをしたあの日を思い出したあたし達は

『順番、逆になっちゃったね。』なんて笑い合った。





幸せで

これ以上ないくらいに幸せすぎて
あたし達は時間が過ぎるのを惜しみながら言葉を交わす。



春の海。
そして朝焼けの海。




周りには人一人居なくて


まるでこの世にあたし達二人きりになったみたい。




この優しく鳴る海に
あたし達を咎める人は居ない。


蒼い海は
まるであたし達を祝福してくれてるように感じてた。





時間が止まればいい。


生まれて初めて
そう思った。




< 144 / 348 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop