kiss me Again
何気ない日常。
それに溶け込むのはすごく簡単で
悩みすらなさそうに笑う学生が羨ましく思う。
「はぁ…。」と溜め息をつく香苗に
あたしは視線を向けた。
「…あたし、昨日メールしてみたの。」
え…?
「…そうくんに?」
「うん。…バカだよね。別れて何ヵ月も経つのに…。」
香苗の言葉に
あたしはスプーンを持つ手を止めた。
「だけど、諦められないの。」
力強い、香苗の声。
「あたし、あんなに誰かを好きになったの初めてだったから…。」
ぎゅっと手首を握り締める香苗は
悲しそうにあたしを見つめて
「だから、あたし諦めない事にした。頑張ってみようって。」
そう言って無理矢理笑った。