kiss me Again
そんな告白に
あたしは何て答えればいいのだろう。
昨日、あたしとそうくんは一緒にいて。
お互いの気持ちを確かめ合った。
香苗の真っ直ぐで一点の曇りもない瞳は
濁ったあたしの瞳には眩しすぎる。
「そう…。あんま、無理しないようにね。」
あたしは視線を逸して再びスプーンを口に運ぶ。
香苗には
絶対に言えない。
もし、あたしとそうくんの事を知ったら…
香苗は生きる術を失う気がした。
「…痛っ。」
「海音?どうかした?」
突然走った激痛に
あたしは自分の頬を押さえた。
「何か、歯が痛かった。」
「あはは。虫歯じゃないのぉ?」
「…そうかも。」
最後に歯医者に行ったのは
多分小学生の頃。
虫歯があってもおかしくない。
そう思いながら
あたしはカレーを少し残して
トレーを片付けた。