kiss me Again
「まだ痛いの?」
「うーん、少し…。明日歯医者行こうかな。」
食堂でお腹を満たしたあたしと香苗は
再び自分達の教室へと歩き出す。
あたしは頬を押さえながら階段を見上げた。
その時
視界がぐらりと揺れて
あたしは手摺に寄り掛かってしまった。
「ちょっと、大丈夫?具合悪いの?」
心配そうに香苗があたしを覗き込む。
何、今の……。
突然の出来事に
あたしは額に手を当てて考えた。
睡眠不足だからかな…。
「ごめん、ちょっとトイレ行くね。先行ってて。」
「顔色悪いよ?あたしも一緒行くよ。」
「大丈夫。次の数学の宿題、やってないんでしょ?」
あたしの言葉に
香苗は思い出したかのように慌てて階段を掛け上がった。
「何かあったら携帯鳴らして?」
「うん、ありがと。」
そう言って香苗の後ろ姿を見送った。