kiss me Again


「まだ痛いの?」

「うーん、少し…。明日歯医者行こうかな。」



食堂でお腹を満たしたあたしと香苗は
再び自分達の教室へと歩き出す。


あたしは頬を押さえながら階段を見上げた。



その時


視界がぐらりと揺れて
あたしは手摺に寄り掛かってしまった。




「ちょっと、大丈夫?具合悪いの?」

心配そうに香苗があたしを覗き込む。




何、今の……。


突然の出来事に
あたしは額に手を当てて考えた。



睡眠不足だからかな…。




「ごめん、ちょっとトイレ行くね。先行ってて。」

「顔色悪いよ?あたしも一緒行くよ。」

「大丈夫。次の数学の宿題、やってないんでしょ?」


あたしの言葉に
香苗は思い出したかのように慌てて階段を掛け上がった。



「何かあったら携帯鳴らして?」

「うん、ありがと。」


そう言って香苗の後ろ姿を見送った。



< 152 / 348 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop