kiss me Again


カバンがやけに重たく感じる。


おぼつかない足取りであたしは本屋の中へと入った。





「え?帰るの?」

「うん…。やっぱあんま体調よくないみたい。」

「そっか、わかった。本当に大丈夫?」

「うん、平気。きっと寝不足が祟ったんだと思う。」



軽く香苗と会話を交わして
あたしは学校を午後、早退した。




一抹の不安。
気のせいであって欲しいと願う。



そして学校を出た足で
駅前の本屋に着いたあたしは
周りを気にしながら『目的』の本を探していた。





あった……。



足が震える。




知りたいのに
それを開けば
全てが終わってしまう気がしてた。




だけど確かめずにはいられない。




そして
震える指先を
その本へと伸ばした。



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