kiss me Again
大切な人。
それは一人じゃなくて。
親だったり
兄弟だったり
親友だったり、恋人だったり。
人それぞれ違うけど
『大切』
そう思うだけで
それはかけがえのない存在に変わるんだと思う。
「…どうして……。」
透き通るように蒼く輝く空に
綺麗になびく栗色の髪。
木漏れ日に照されて
優しくあたしを見て微笑む瞳。
あたしの、大切な人。
「…そうくん…。」
あたしの家から少し離れた所で
バイクに寄り掛かるそうくんがそこに居た。
「どこ行ってたの?」
優しい
波みたいな声。
全てを捨てても
何を犠牲にしても構わない。
そう思えた
唯一の人―――…