kiss me Again
日曜日の昼下がり。
こんな日は
家族揃って出掛けているのか
辺りは本当に静かで。
「海音。」
あたしを呼ぶ
そうくんの声がよく響いている。
「学校、行ってないんだって?」
「…え…?」
どうして……。
「香苗からメール来た。」
香苗から…。
その名前に
あたしの傷口が開く。
「行かないの?学校。」
そうくんの言葉に
あたしは何も言えなくて
ただ、靴の先ばかりを見ているだけだった。
「やっぱり何かあったんだろ?」
いつの間にか縮まった距離が
あたしの鼓動を速めていく。
「…海音?」
そっと肩に置かれた手のひらに
あたしは気持ちを殺して走り出した。