kiss me Again



ピタリと香苗の前で
そうくんの足が止まる。


香苗は俯いたまま少しだけ震えてた。




「香苗、全部俺がいけないんだ。」


繋いだその言葉は
まるで懺悔のようで。



「俺は、ずっと…。」

「そうくん、止めて!お願い!」



あたしの言葉は
あまりにも無力で。



「……海音を好きだったんだ。」





全ての音が


色が



この世から消えた。







この世の中、綺麗な事ばかりじゃない。



それでもなお、人は求めて止まないんだ。






変わらない物を。



そんなの
あるはずないのに。






形ある物は
いつか必ず、終わりが来る。



それでも
信じていたいのは何故?





不変を求めるのは




どうしてなの?




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