kiss me Again
「香苗…。」
そうくんが
香苗の肩へと手を伸ばした。
だけどその手は宙を切りながら
元の場所へと戻される。
そしてあたしへと向けられた鋭い視線。
「最低…。二人とも最悪だよ!!」
そう言って香苗は
来た道を走り出した。
「香苗!!待って…」
追い掛けようと走り出したあたしは
腕を引き寄せられて立ち止まる。
そうくんは小さく首を横に振った。
「…追い掛けても無駄だよ。あいつに今、何言っても無理だ。」
そうくんの言葉はきっと正しい。
何ヵ月も傍で香苗を見て来たんだから。
だけど――…
「香苗の事はあたしが一番わかってる!」
あたしはずっと香苗を見て来た。
傷付いた香苗も
楽しそうに笑う香苗も
あたしはずっと隣で見て来たんだ。
「全ての責任はあたしがとる。」
香苗を
失いたくないの。