kiss me Again
憂鬱
黒板にチョークを走らせる音。
それに合わせて
クラスメートの持つシャーペンが動いてる。
外には冷たい雨。
あたしは
ぼんやりと窓の外を眺めていた。
「よし、ここは試験に出るからな~。」
先生が赤いチョークで黒板を叩く。
それは一応
マーカーでチェックをしておいたあたし。
あれから
何事もなかったかのように時間は流れ
季節はもうすぐ
梅雨に差し掛かろうとしていた。
「ね、海音。携帯買わないの?」
授業が終わり
待ちに待った昼休み。
香織がパンを頬張り
お茶をストローで飲みながら
あたしに尋ねてきた。
ストローでお茶っておかしいな。
なんて思いながら
「ん~。別に必要ないかなって。」
とあたしは答えた。