kiss me Again


こうやって
あたしは二人に合せながら作り笑いを返す。

つまらない。
そう思っていても顔には出さないように一生懸命だった。



おかげで
クラスから浮く事もなくあたしは普通の高校生を過ごしてる。




だけどあたしの憂鬱は
日に日に増していく一方で。


受験生という立場から
ピリピリとしたクラスのこの雰囲気も
あたしにはただ、うざったいだけだった。



もう、全てに嫌気がさしていたんだ。




バカみたいに
受験、受験と繰り返す教師にも


人の心の隙間を探ろうとする友達にも




あたしは限界だった。






「じゃーね、海音!」

「うん、バイバイ。」


手を振る香織と雅美に
あたしは小さく手を振り返す。



外はまだ
雨が降り続いている。




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