kiss me Again
「ごめん…海音…。」
散々泣いて
やっと落ち着いたあたしは
そうくんの言葉に首を横に振った。
そしてそうくんがゆっくりと口を開く。
この恋の終わりを
見据えながら。
「あいつさ…。香苗、もうダメなんだ。
俺が居なきゃ、あいつおかしくなる…。」
そうくんは頭を抱えるようにして
膝に肘を付きながら話してくれた。
――――……
騒然とする駅の構内。
俺の腕には
ぐったりとした海音が横たわっている。
「海音っ!!」
いくら呼んでも返事はなくて。
これだけの人が居るのに誰も海音を助けようとはしてくれなかった。
階段から人が落ちたっていうのに
平然とした様子で通り過ぎる人。
見ていながら何も手を貸してはくれない人。
くそっ!!
俺は拳を握り締める。