kiss me Again
「香苗っ!!」
俺は苛立ちを隠しながら階段の上で立ち尽くす香苗に呼び掛けた。
海音を支えている腕の方に携帯がある俺は
「救急車呼べ!」と大声を張り上げる。
だけど香苗は放心状態でピクリとも動かない。
俺は仕方なく海音を床に寝かせ
携帯をポケットから探り救急車を呼んだ。
「早く…早く来てくれ…っ!」
辺りに救急車のサイレンが鳴り響く。
駆け付けた救急隊員により
海音は無事、病院へと運ばれた。
俺は安堵の溜め息を漏らす。
病院の廊下には海音の家族らしき姿。
そして海音の彼氏も駆け付けていて
俺は離れた所で
海音が目覚めるのを祈りながらソファに座り込んだ。
そしてふいに思い出す
海音の言葉―――…