kiss me Again
あたしのせいじゃない。
壊れたCDのように
そう繰り返す香苗は頭を抱えながら
叫ぶように泣きじゃくる。
「……香苗…。」
俺はそっと香苗の肩を持ち上げて
「香苗のせいじゃない。そんなに自分を責めんなよ。」
と頭を撫でた。
そう。
悪いのは俺だ。
香苗も傷付いていて。
なのに俺は
あんな残酷な言葉を投げ付けた。
『……海音を好きだったんだ―――…。』
わからなかった。
香苗に何て言えばいいのか
わからなかったんだ。
取り繕うような
その場しのぎの嘘なんか言えなくて。
こうなったのは
全て、俺のせいだ。
俺の、せいなんだよ。
「香苗……。送るよ。とりあえず、帰ろう。」
海音の安否を気にしながらも
病院でパニックになる香苗を
俺は抱えるようにして歩き出した。