kiss me Again
だけどこれは
ただの序章にしかすぎなかったんだ。
香苗の、心が壊れる前触れ―――…
「…じゃあ俺、行くな。」
香苗を無事に家まで送り届けた俺は
玄関で靴を履きながらリビンクへと語り掛ける。
香苗からの返事は聞こえない。
…とりあえず病院に戻ろう。
小さな溜め息を残し
俺は香苗の家を出て行った。
パタンと扉を閉じて
今度は深い溜め息をつく。
香苗の気持ちに
俺は逃げるように背を向けていた。
別れてからも
香苗は何度も俺に連絡をよこして来てて。
だけど俺は一度も返信する事はなかった。
どのくらい
傷付いていたのだろう。
こんな事になった原因は
全て俺にあるんだ。
じゃあ俺は
一体どうしたらいい?