kiss me Again
聞きなれない喫茶店のBGMが
あたしの鼓動にゆっくりと流れ込む。
「あいつさ。俺の事疑ってばっかりなんだ。」
『携帯見ちゃった…。』
香苗の言葉が頭を過ぎった。
「信じてもらえないのって結構、辛いよね。」
悲しそうに微笑んだそうくんは
小さく溜め息をはいた。
「だから正直、疲れた。」
ぐっと握り締めた拳をテーブルの下で隠す。
「でも……香苗の事…好きなんでしょ?」
好き――…
聞きたくないのに
何故か聞いてしまった。
傷付きたくない。
だけど――…
「好きかぁ。」
そうくんになら
傷付けられても構わない。
「よく、わかんない。」
だってあたしはもう
傷付いてる。