kiss me Again

そう言った
そうくんの手には携帯電話。



「よかったら交換しようよ。」


街のネオンよりも眩しい

そうくんの笑顔。




嬉しかった。


すごく、嬉しくて…




だけど――…



「海音ちゃん?」


俯くあたしに
そうくんが不思議そうに覗き込んだ。




「か、香苗に見られちゃうよ?」


一抹の不安。
香苗とそうくんが喧嘩したそもそもの原因は


香苗がそうくんの携帯を見たからだ。





そこにもし
あたしが登録されていたら…


怖くて考えたくない。





「そっか……。」


明らかに残念そうに肩を落とすそうくんに

あたしの心は揺れた。



< 30 / 348 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop