kiss me Again
傷だらけの体に
包帯が巻き付けられて
あらゆる所からチューブがぶら下がってる。
「このまま集中治療室に運びますので。」
冷静にそう告げる看護婦の言葉は
あたしの耳には届いていない。
「……嘘…でしょ…?」
あたしは両手で頭を押さえて座り込んだ。
遠ざかる担架が
涙で歪んで見える。
「…先生……そうくんは…?」
座り込んだままのあたしに
手術着姿の先生が
ためらいながら口を開いた。
「……頭を強く打っていて…。
かなり危険な状態です。」
「…危…険…?」
思考がうまく働かない。
「もしかしたら……もう意識は戻らないかもしれません…。」
そう言った先生は
それだけあたしに伝えると
足早にこの場を去ってしまった。