kiss me Again
どんなに泣いても
涙が
止まる事はなくて。
悲しみは
涙を一粒こぼす毎に増えてゆくのに
あたしの涙腺はすでに崩壊していて
止まる術など
もう、わからなかった。
そんなあたしのカバンの中で
ふいに鳴り響く
携帯電話。
ここが病院だという事も忘れていたあたしは
無意識に通話ボタンを押した。
「…も…しもし…?」
『海音!?何回も電話したんだよ!?』
゛全然繋がらなくて゛
と早口でまくし立てる雅美。
そして
あたしはまた
深い悲しみに突き落とされるんだ。
『落ち着いて聞いてね。』
涙を懸命に堪えながら
あたしは携帯を耳にあてる。
『香苗が―――…』