kiss me Again
初めて出来た
二人だけの秘密。
あたしの携帯番号は
『弟』として
そうくんの携帯電話に登録された。
そして『弟』に電話をしたそうくんは
「これ俺の番号ね。」
そう言って携帯を閉じる。
あたしの携帯画面には
知らない番号が並ぶ。
嬉しくて
顔が緩むのを必死に耐えた。
「メールもするよ。Cメールだけど。」
「わかった。」
ドキドキした。
あたしの携帯に
そうくんの番号が登録される。
たったそれだけの事なのに
あたしは世界中の幸せを独り占めしたような気持ちに駆られた。
「じゃ、またね。」
「うん。バイバイ。」
駅のホームで背を向けて
お互い反対方向の電車へと乗り込んだ。
発車するまで手を振ってくれたそうくんが
やっぱり愛しくて
胸が張り裂けそうだった。