kiss me Again
「そうか……。」
久し振りに教室に戻って来た香苗は
クラスメートから熱い歓迎を受けて
涙を浮かべながら
今、あたしと二人
浦吉を訪ねた。
足を踏み入れた生徒指導室には
もう、煙草の匂いは消えていて。
「お願い、浦吉。
あたし、みんなとあと少しだけ一緒に居たいの。」
頭を下げて懇願する香苗に
あたしも口を開いた。
「みんな、香苗に戻って来て欲しいって思ってる。
だから―――…」
頭を下げて俯くあたし達に
浦吉は引き出しから封筒を取り出した。
「お前達、俺の事わかってねぇなぁ。」
そして笑いながら
香苗にその封筒を差し出す。
「これ……。」
「俺が校長に提出するはずねぇだろ。」
そう言ってあたし達の頭を叩いた浦吉に
「嘘………。」
とあたしと香苗の声が重なった。