kiss me Again
『それ、背の高い男の人が渡してって。』
もしかして……。
あたしは焦る気持ちを抑えながら小さな箱を開ける。
「これ……。」
朝焼けの空に
海が綺麗に映える。
箱から出したそれを
目の高さまで持ち上げると
海の蒼さに負けない程美しい
ネックレスがキラリと光った。
『真の蒼さで響く海の音』
いつかのそうくんの言葉が脳裏をかすめた。
そして
その箱には小さなメモ帳が挟まっていて。
あたしはその紙切れを手に取った。
―海音へ。
この海は
俺にとって、数少ない海音との思い出の場所。
この大切な場所に
俺の気持ちを置いていきます。
誕生日おめでとう。
蒼真
「……っどうして…。」