kiss me Again


ゆっくりと立ち上がったあたしは
その足で再びそうくんが居る病院を目指した。


会いたくて
仕方なかったんだ。





きっと、そうくんはあたしを抱き締めてくれる。




長い長い眠りから醒めて

その温かい手のひらであたしに触れて。




そして少し長い
キスを交わそう。

離れていた
隙間を埋めるように。






――――…




まだ昇りきらない太陽が少しずつ世界を明るく染めてゆく。


病院に着くと
そこは異様な空気に包まれていた。




バタバタと慌ただしく看護婦さんが駆け回る。


何かあったのかな…。




そう気にしつつ
あたしはそうくんの病室へと向かう。


だけど歩き出してすぐ
あたしはピタリと足を止めた。




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